みなさんは、自分の親が突然倒れたり、介護がはじまることを考えたことってありますか??
おそらく、『そんな縁起でもない』って眉間にしわを寄せて言ってくると思います。
また、お年寄りも本気で『そんな縁起でもない』と思っています。お年寄りは自分のことをお年寄りだなんて思っていないのです。だから、毒蝮三太夫さんは怒られないんです。
でも、『老い』に対して多少認識が異なるようですね。若い人が考えている『老い』とお年寄りの考える『老い』ってどう違うのでしょう。
私たちは、お年寄りの老いた姿はわかりますが、お年寄りの心の中までは理解できていないのです。
親と同居していても、離れて暮らしていても、心の中まで理解できるほど親子間の会話はありますか?おそらく、少なくなっている実感ありますよね。
実は、家族の接し方ひとつで予防につながる病気があります。それは認知症です。
認知症とは加齢が原因の脳の病気です。進行していくと記憶や言葉すら失っていくイメージがあります。しかし、認知症についてあまりにも知らない事だらけではないでしょうか?
例えば、
※街でばったり出会った知り合いの名前が出てこない。しばらくして思い出した。
※昨日の夕食に何を食べたかすぐに思い出せない。
※電子レンジで温めた料理を出し忘れて、翌日レンジを使う時に気が付く。
以上の3点は単なる老化現象です。年を取ればだれでもあるらしいです。
しかし、
※近くの商店街で道に迷って、家に帰れなくなった。
※『カメラ』『時計』のような、身近でよく知ってる言葉が出てこない。
※半年くらいの間に、人格が変わったように怒りっぽくなった。
以上の3点は、認知症の症状なのです。
そうなってくると親孝行どころではなくなってしまいます。しかし、家族の接し方で、症状が大きく変わっていくと専門家は言っておりました。では、どんな接し方をすればいいのでしょうか?
家族の接し方としては、
①大声や後ろから近づくなどをしてびっくりさせない。
②ゆっくりならできる事が多いので急がせない。
③否定しない。とりあえず受け入れる。
④怒らない。『何回聞くの??』って言ってる気がする。
⑤プライドを傷つけない。
プライドを傷つけないと言っても、難しいですよね。だから、相手に納得してもらうようにお話ししてみる事を心がけてみましょう。
だから、親子の会話ってとっても大事だと思いませんか?実は、認知症予防には『笑い』が最高に効果が高いと言われています。みなさんと会話することでご両親が笑顔になってくれればそれはもう立派な『親孝行』と言えるでしょう。
以前、あるご家族のお葬式を担当した時をふと思い出しました。
喪主の欄に亡くなった方の奥様らしき名前を記載しているのですが、葬儀の打合せの場にはそれらしき方の姿がないので聞いてみる事にしました。
すると『故人の妻です。今は認知症で施設に入ってまして・・・』
『今回のお葬儀にはご参列されるんですよね??』
『来たところでわからないので連れては来ないつもりですが、形式上喪主という事で・・・』
なんとも寂しそうな顔で私に伝えてくださったのが印象的でした。このご家庭では施設に入居できたので少しは安心できると思いますが、自分で面倒を見ると考えるとかなり不安ではないですか?
こうなってしまうと親孝行どころではありませんね。
そんな時は『あと、何回親に桜の花を見せてあげられるだろう?』そんな事考えてあげると、思わず『電話でもするか』となるかもしれませんね。思いったたがなんとやらです。まずは行動してみましょう!!